【架空地図制作期#9】観光地への特急列車のダイヤ
上の画像は、現実でいうところの東海道線をモデルとした路線です。
当然、伊東線・伊豆急行線に直通する特急踊り子に相当するものも複数設定します。
伊豆は日本有数の観光地のため、特急列車による首都圏からの直通列車が多数設定されています。では、どのような特徴があるのでしょうか。
都市部から観光地への特急列車は、午前中に集中しています。臨時列車ではありますが、朝の8時から運転が始まります。
反対に、観光地から都市部への特急列車は、午後に集中します。画像は横浜駅のものになりますが、伊豆急下田を出発するのもほとんど午後と考えられます。
利用者の気持ちになって考えるとこの時刻設定が使いやすいものであることがわかります。
例えば土日に観光地で一泊の宿泊旅行をすると考えた場合、土曜日の朝早めに出発すれば、現地滞在時間を伸ばすことが可能です。同じく日曜日の午後に帰りの列車に乗れば、午前中は少しの観光やお土産の物色などに時間を割くことが出来ます。
しかしそれなら、都市部からの下り特急は朝6時、7時に集中させたり、観光地からの上り特急は夜間に多数設定させた方が、より滞在時間を伸ばせるように思えます。
ですがそれは現実的には難しいでしょう。旅行の楽しみ方は人それぞれですが、休みの日にかなりの早起きをして早朝の特急に乗ったり、翌日も朝から仕事があるのに、自宅への帰宅が夜遅くになるというのは、いささか無理な行程と言えます。
また、都市部とは言っても、埼玉や千葉から伊豆に行くとなった場合、まず東京駅まで時間をかけていかなければならず、そうなると午前9時〜11時くらいの列車だと都合が良いように思えます。
観光地ではグルメも楽しみたいものです。現地での昼食に間に合わせる上でも、午前中からの出発は理にかなっています。
とはいえ特急列車を多く設定するとなると、普通列車への影響が大きくなります。
冒頭の画像は架空のダイヤではありますが、赤の特急が黒やオレンジの普通列車を何本か追い越しています。また、観光地が近づくに連れて単線になると、列車交換も必要になるため、現実的に設定できるのは、せいぜい一時間に3本まででしょう。
そのため特急列車の本数を増やすためには、時間帯をばらけさせる必要があります。
横浜駅の例では、8時から13時まで(上りは12時から18時まで)幅があります。上り列車の方が幅が広いのは、現地でどれだけ滞在するかの粘り具合が人によって異なり、早めの列車で帰りたい人もいれば、遅めの列車で帰りたい人もいるということだと思います。
ということで、リアリティのあるダイヤを設定するのであれば、上記のように、
都市部→観光地:午前中〜昼
観光地→都市部:昼〜夜
と設定するのが良いでしょう。
しかしこれを揺るがす要素が3つ存在します。
それは、
①都市間列車としての役割
②着席サービスとしての役割
③観光地の人気度合い
です。
①都市間列車としての役割については、新幹線がいい例です。新幹線で観光に行く人も多いかと思いますが、列車は6時から0時まで一日中走っています。これは、新幹線が観光だけでなく、都市と都市を結ぶ列車であるからです。観光目的でないのであれば、前述の「観光客向けの利便性」だけを重視する必要がなくなります。
新幹線ほど本数が多くないにしても、例えば新宿〜甲府・松本の特急かいじ・あずさや、新潟〜酒田・秋田の特急いなほなども、1日の中で満遍なく設定されています。
②着席サービスとしての役割は、小田急のロマンスカーなどのように、数百円の追加料金(通称課金)によって、快適な車内での移動に供するため、満遍なく特急列車を設定するものを指します。東海道線であれば普通列車にもグリーン車が連結されているため、踊り子はこの役割を担う必要がなくなります。宇都宮線の新特急なすのが衰退したのも、同路線の普通列車にグリーン車が連結されたのが一因と言われています。
私の首都圏のダイヤでは普通列車に有料座席を連結していないため、②の役割を担わせるために、特急列車の本数を増やした方がいいかなと思っています。
③観光地の人気度合いですが、特急列車も指定席・自由席関わらず、乗車定員があります。指定席は言わずもがな、自由席も混雑しすぎると積み残しが発生しますし、そもそも快適ではありません。
観光地があまりにも人気となる場合、特急列車の設定を早朝・深夜前にまで広げることによって、乗客を分散させることになります。架空鉄道では③を加味してダイヤを設定することにより、逆説的にその観光地の人気を語ることができます。
こんなところに気を配りながら、引き続きダイヤを組んでいきますよ🚃🚃🚃🚃