【架空地図制作期#6】宗教・信仰と鉄道
1.はじめに
架空鉄道を作る上で、宗教や信仰は非常に大事な役割を担っています。
信仰は旅客の流動を促し、宗教施設は地名、駅名になります。
前者の例でいえば、JR東海の快速みえは伊勢神宮に、寝台特急サンライズ出雲は出雲大社に参拝する乗客が多くいます。相方のサンライズ瀬戸号も、最近では琴平への延長運転を行っていますね。小田急や西鉄は初詣に特別な輸送を行います。
これらは神道関係ですが、天理教には天理臨、廃止済ですが仏教なら岩手県の中尊寺金色堂観光向けのジパング、創価学会には創価臨といった臨時列車もあります。
後者は仏教関係でよく見られます。駅名にもなっている、吉祥寺、修善寺、東福寺、善通寺などが有名どころでしょうか。神道なら鹿島神宮など。
ただし、日本人の感覚からして、信仰の証というよりは、観光目的や単なる地名としての扱いに終始してることも多い気がします。そのため、架空鉄道では○○寺駅という形でのみ、宗教はかかわっていそうです。
2.架空宗教を作る
しかし宗教から架空で作れば、旅客の流動を一から生み出すことも可能です。例えばムスリムが一生に一度はメッカを目指すというような、巨大な需要は魅力的です。
ただしデメリットがあります。
まず、宗教の設定を一から考えるのが非常に面倒だということ。私は宗教学者でもなければフィクションを書いたこともないので、この手の設定は苦手です。
また、仏教が無ければ寺とつく地名や駅名は使えず、神道が無ければ○○神宮が使えません。
架空鉄道にはあまり関わらないですが、キリスト教が無いとミッション系の私立学校が成り立ちません。
これらは非常に惜しいところです。
そこで私はその折衷案とすることにしました。
まず、神道・仏教・キリスト教は架空地図・鉄道を考える上で無視できないものなので、現実と同じように存在させます。
ただしせっかくならオリジナリティも出したいので、名前をもじります。
神道→神教(語感を残す。なお念のため現実に固有名詞として存在していないかチェックしました
神社や神宮などは名前を使わせていただきます。
仏教→舎利教(仏舎利という言葉からもじる。なお舎利とは「シャリーラの音写であり遺骨または遺体を意味する」そうで仏教用語でもあるそうですが、見なかったことにします)
寺や○○天という言い方は使わせていただきます。
ただし恵比寿とか吉祥天とかは使いません。阿弥陀の阿弥は使っちゃっているので要改称ですね…
キリスト教はまだ考え中ですが、似たような概念さえあれば問題ありません。国際基督教大学のような名称が作れないのが難点ですが…
さて、(一応)架空の宗教が作れたので、今回は一番現実の信仰の仕方からイメージしやすく、かつオリジナリティが舎利教よりある神教を使って鉄道の需要を創生していこうと思います。
3.海外の信仰を援用する
と、その前に付け加えることがあります。ここまでは宗教ベースでの話をしていましたが、信仰や習慣という点では、援用したいものがあります。
それは、中国の春節(およびそれに伴う春運)と、アメリカのホリデーシーズンです。これらは宗教にも関係していますが、より人々の慣習的な側面が強いと個人的に思うものになります。
春節はざっくりいうと中国版の帰省ラッシュですが、その規模や壮絶さは日本の比ではありません。YouTubeで春運と調べると、その凄まじさがよくわかると思います。
ja.wikipedia.org こちらはWikipediaの記事
中国では地方から都市部にやってきた出稼ぎ労働者が、春節をなんとしても家族で過ごすために、必死で帰省をすると言います。日本のように盆と正月の2回チャンスがあるわけでもなく、さらに家族とのつながりが日本より強固というのであれば、その帰省ラッシュの激しさも頷けます。これを架空鉄道に応用すれば、臨時ダイヤをより過密に、よりカオスにすることが可能です。
(もちろん中国のように、実家に帰るのにお土産を大量に用意したり、親族から結婚を催促されたりと、架空国民は辛いことも増えるとは思いますが…)
ホリデーシーズンは鉄道には関係ないものだと思います。しかし家族で特別な食事を取ったり、商戦として人々の行動や経済に大きな影響を与えるもので、アメリカに行ったことがない私から見ても、なんだか楽しそうな印象を受けるものです。というかスターバックスにやたらと通っていたら、12月くらいには店内でホリデーという言葉が毎年使われているのに気が付きます。
スタバはアメリカの企業ですからわかりますが、例えば日本におけるクリスマスなんてのは、恋人と過ごす時間、限定のスイーツやショッピングといった「託けたイベント」となっています。
私の架空国家がホリデーシーズンを外国の文化をオシャレなものとして真似して楽しむということがあれば、鉄道会社もそれに便乗して行楽用の列車を走らせる…なんてことがあっても不思議ではありません。
実在の列車名を借りてしまって申し訳ないのですが、「ホリデーシーズンあずさ」とか、「ホリデーサンダーバード」みたいな名前で臨時列車が走っても面白そうじゃないですか?
4.架空国家の宗教・信仰による鉄道輸送
春運とホリデーシーズンを確認したところで…
私の架空国家では、
①神教をなんとなく信仰する人が多く、それは日本のように初詣や寺社への観光もさることながら、親族へのつながりが非常に強固なため、夏と冬には都市部から地方へ帰省する人が多い。その帰省ラッシュは壮絶であり、鉄道の増発は限界まで行われる。切符の争奪戦もあるが、大学などで特別な窓口が開かれる。
②どこかの外国のホリデーシーズンを真似ており、冬のある時期にはそれに託けたレジャー・観光が行われたり、学生は長期の冬休みによって帰省をする。国全体でクリスマスのようになんとなくお祭りムードであり、鉄道会社でも特別な臨時列車が多数運転される。
という文化にしようかなと思います。書いてて思ったんですけど、クリスマスって固有名詞的だけどそのまま使いたいなぁ…
5.おわりに
さて、結構な長文になってしまいましたが、今回もお読みいただきありがとうございます!
一人で作る架空地図ですが、こうしてブログで発表することによって、より深く向き合える気がします。また、もし応援してくださる方がいたら、とても励みになります。
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